30代男性 あご関節に負担をかける噛み合わせをワイヤー矯正で改善してからセラミック治療を行った症例

拝見したところ、左右下の奥歯2本（第2大臼歯／7番）の被せ物が外れており、中も虫歯になっていました。また、他にも銀歯が数箇所認められましたが、適合が悪く、虫歯のリスクが高まっていました。

まずは虫歯の応急処置を行い、同時に歯並びや噛み合わせもチェックしたところ、噛み合わせの歪みによりあご関節に負担がかかっている状態で、口を大きく開くことができなくなっていました。

このまま被せ物を作り直すことも可能ですが、噛み合わせの歪みを改善してから被せ物治療を進めるほうが、あご関節の負担が軽減し治療部位も長持ちすることを説明したところ、「噛み合わせを治してから被せ物を入れたい」とご希望いただきました。

最初に、噛み合わせと歯並びを整える治療を開始しました。歯を動かすための装置には、ワイヤー矯正の「マルチブラケット装置」を使用しています。
その後、被せ物が外れた奥歯と、お口の中のすべての銀歯をセラミックに変更し、治療を終了しました。

適切な噛み合わせによりあご関節の負担が軽減し、44mmしかお口が開かなかった状態から、51mmまで開くようになりました。

患者様にも「口を大きく開けられるようになり、日常生活で感じていたストレスがなくなった。歯並びも綺麗になり、見た目を気にせず笑えるようになった」と大変お喜びいただきました。

現在も定期的な検診でご通院いただいています。

矯正
・治療中は発音しにくい場合があります
・矯正中、舌が動かしにくいことがあります
・治療中に装置によってまれに頬の内側が傷つき、口内炎になることがあります
・歯の移動に伴って違和感や痛みを感じる場合があります
・冷たいものを飲んだときに歯がしみる「知覚過敏」の症状が出る場合があります

セラミック
・硬い素材の場合、他の天然歯を傷つけることがあります
・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります

丁寧な被せ物の治療を行っても、噛み合わせが歪んだままだと歯にかかる力のバランスが悪いため、被せ物が長持ちしないリスクがあります。

まずは噛み合わせやあごの位置を正しく改善することが何よりも大切です。